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あ、まだ生きてる。


by fukazawa200_s5

日本昔ばなし(おまけ)3

桃太郎はムシャクシャしていました。

「本当はもっと川を下った都会で綺麗なマダムに拾われて愉快に
暮らすはずだったのに、こんな田舎でババアに見つかった
せいで毎日毎日畑を耕すだけの生活。何か刺激が無いとやって
られないぜ!」

桃太郎は自分の弱さもかえりみず、村で暴れる鬼を退治することで
都会の注目を浴びてやろうと企てました。

「ばあちゃん、俺、鬼退治に行くから弁当作ってくれよ」
「そうかい、それじゃあこのきびだんごを持ってお行き」
「何それ?」
「ドラゴンボールで言うところの仙豆みたいなものさホホホ」

単純な桃太郎はそれを信じ、何のへんてつもないただの
田舎団子を特殊な効力を発揮する魔法の食べものだと信じ込んで
袋に仕舞いました。

飼い犬のポチが家来として鬼退治に行くことを志願しました。
しかし、ワンワン!という犬語を理解できない桃太郎は
それを無視しました。ポチは千載一遇のチャンスを逃し、
自分がこのままここでチェーンに繋がれたまま生涯を終える
くず犬の運命だと観念しました。

次に猿が来ました。桃太郎は猿が大嫌いだったのでその場で
殺し、土に埋めました。

最後にキジが来て家来にしてくれと頼みました。
キジは友達のオウムに人間の言葉を教わっていたので桃太郎に熱い
意思を伝えることができました。

「お、お前、鳥のくせに人間の言葉がわかるのか!」

桃太郎は鬼退治で負うかも知れない体のリスクと、この
キジをネタに日本どころか世界を興行して回るほうが
どんなに有益かを鑑み、後者を選びました。


こうしてキジだけを連れた桃太郎は、都会のテレビ局に
売り込みにいきましたが、ジェイソウルブラザーズやAKBで
忙しいテレビ局は汚いガキと鳥になど興味もなく、桃太郎は足蹴に
されてしまいました。

失意の桃太郎は、ばあさんにもらったきびだんごをキジと
分けあい食べました。するとどうでしょう、桃太郎とキジは
プラシーボ効果で元気になり、もう一度やり直す意欲がわいたのです。


つづく...

by fukazawa200_s5 | 2017-04-26 15:39